ドラマ「ガタの国から」(7月31日の記事参照)は制作局のNHK佐賀では7月14日に放送されましたが、その際に、佐賀県特別版として、ガタリンピックの成り立ちを振り返る15分ほどのドキュメンタリー「ガタの国だから~ガタリンピック誕生物語~」も併せて放送されました。(放送地域の方から詳しい情報をいただきました。ありがとうございます!)
内容を簡単にご紹介しますと、1983年に県の総合計画で鹿島市には新幹線も高速道路も作られないことが決まり、このままでは市が衰退すると危機感を持った人たちが、町おこしの起爆剤となるイベントを開催することを決意します。そのときにイベントの会場の候補として挙がったのが、祐徳稲荷神社と干潟でした。結局、既に完成している存在である前者に対して今から作り上げなければいけない後者の未知への挑戦的な側面、鹿島にしかなくて全国の人が注目してくれる特異性という点で、七浦地区の干潟で運動会をしようということになります。
会場が干潟(海)ということになると開催には漁業にたずさわる人たちの協力が必要ですが、イベントの起ち上げの中心となったのは市街地の人たちでした。企画の起ち上げ当初には、街の人と海の人の意識の違いから、自分たちのなりわいの場所を遊びの場所にするのかという反発もあり、好意的な反応は得られなかったそうです。しかし、飲み会などのコミュニケーションを重ねることで相互に理解が得られ、開催にこぎつけます。
そうして1985年に行われた第1回のガタリンピックは、予想を上回る人出と反響を得て、大成功に終わりました。
番組後半では今年の第33回の準備や大会の様子も紹介されていました。毎年のニュースで取り上げられることはあっても、古い時期のことまで触れられる機会はなかなかないので、こうしたドキュメンタリーは貴重だと思います。