映画「ワイルド・アニマル」、1997年制作、2008年1月25日DVD発売

サイトをご覧の方から「ワイルド・アニマル」という映画に登場人物の白塗りがあるとの情報をいただき、少し検索してみたところ興味を持てそうだったので、DVD(発売・販売元ハピネット、カタログ番号80DRJ-20397)を中古で入手してみました。(情報ありがとうございました!)

この「ワイルド・アニマル」は1997年制作の韓国映画(IMDb)で、ストーリーはフランスのパリを舞台に進みます。あらすじについてはDVDのパッケージ裏の説明を引用しておきます。

他人の絵を盗んで売ることで食いつなぐ落ちぶれた画家チョンヘは、
ある日、フランス外人部隊に入隊する夢を抱いて
密入国した北朝鮮脱走兵のホンサンと出会う。
やがてチョンヘとホンサンは地元のマフィアの下で働き始め、
マフィア同士の裏切りの中、組織の手によって
手錠をかけられたまま海に投げ込まれてしまうのだが…。

実際に全編を見てみると、ジャンルとしては裏社会もの・友情ものといった感じで、主役二人の人物設定から連想されるような政治色はほとんどなく、韓国色もあまり感じません。かなり大雑把に言えば、異郷の地で表社会からドロップアウトしてしまった人々の人間模様が描かれていて、見る人の多くにとっては、おそらくパリという舞台設定のほうが印象に残るのではないかと思います。

主要な登場人物の一人として、ハンガリーからの不法入国者コリーヌがいます。全身を白塗りして彫像になる大道芸で小銭を稼ぎつつ、暴力をふるう愛人に頼ってなんとか生活しています。このコリーヌとチョンヘが惹かれあい後戻りできない関係になっていく過程がサブストーリーの一つになっていて、またそこでは白塗り姿が副次的な1シーンにとどまらない物語の構成要素になっています。その点が少し珍しいように思われましたので、コリーヌの白塗りが出てくる部分を簡単にご紹介したいと思います。

映画全体のストーリーについては、ネット検索で出てくるいろいろなレビューなどをご参照ください。この映画のメインストーリーはチョンヘとホンサンの関係ですが、ここではほとんど触れていません。そのため、映画全体の印象を再構成できているわけではない点はご了承ください。

以下、キャプション付きで書いてみます。(記事が折りたたまれている場合は、この下のリンクから記事の全文を表示できます。)

街頭で人間彫像の大道芸をしているコリーヌ、その横で盗んだ絵を売っているチョンヘ。コリーヌのことがチョンヘの目に留まります。コリーヌは公園にあるロダンの彫像に憧れている様子です。






数日後。ちんぴらに絡まれるコリーヌを助けるチョンヘ。



またロダンの彫像を眺めるコリーヌ、そこに声をかけるチョンヘ。(台詞はDVDの字幕より。)

チョンヘ「ロダンが好き?」
コリーヌ「カミーユの表情がいい あの像が欲しいわ」
チョンヘ「盗んだりしたら重罪だ」
コリーヌ「だけど欲しいの」

もちろん、手に入れることができない性質のものであることをコリーヌは分かっています。その場の思いつきで彫像を取ろうとしてみるチョンヘですが、すぐに警備員がかけつけます。
あわてて逃げ出す二人。







その後、メインストーリーのほうでチョンヘとホンサンになんやかんやあってから、コリーヌがセーヌ川に浮かぶ廃船に住むチョンヘのもとを訪れるシーン。

コリーヌ「彫像みたいに白くして」

チョンヘへと惹かれていくコリーヌに対し、そのことを知っている愛人の暴力は激しさを増します。




なんやかんやあって、チョンヘを取り巻く状況も息苦しさを増していきます。
またロダンの彫像を見つめるコリーヌ。無鉄砲なチョンヘは今度は工具を使って取り外そうとしますが、すぐに警備員に取り押さえられます。その様子を遠くから見つめるホンサン。



落ち込むチョンヘに、コリーヌが寄り添います。

「完璧な芸術をあなたに見せたい」

ここでは画像を省略していますが、コリーヌと愛人との関係は悲劇的な破局を向かえます。

なんやかんやあって、深夜、彫像を盗み出すホンサン。彫像はチョンヘへ、さらにコリーヌへと渡ります。



さらになんやかんやあって、コリーヌが最後に見せるパフォーマンス。




以上です。
各場面の背景的な部分やシーンとシーンのあいだの展開をだいぶ省略していることもあり、このように文章でご紹介すると陳腐に見えてしまうかもしれませんが、実際の映像はもっと見る者の関心をつなぐ形で作られています。レンタルでも見られるようですので(取扱はGEOなど)、もし気になりましたら本編のほうをどうぞ。コリーヌを演じているのはSasha Rucavinaという女優です(IMDb)。

記事タイトルのDVD発売日は、上記GEOの情報に依拠しました。

映画「ワイルド・アニマル」、1997年制作、2008年1月25日DVD発売」への2件のフィードバック

  1. 私もこの作品の中古DVDを購入しました。貴重な情報をありがとうございました。
    コリーヌが可愛くて仕方ありません。(^_^;)

    • 記事がお役に立ちましたらさいわいです!
      コリーヌ役の女優さんは、雰囲気があると思うんですが、残念ながら他の映画にはあまり出演していないようですね。

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