Top > Specials > やまとさんインタビュー 2018年(3) (2018年5月6日掲載)

やまとさんインタビュー 2018年(3)

このページは、「やまとさんインタビュー 2018年 ページ2」のつづきです。

ページ1に戻る ページ2に戻る

このページの目次

ペイントにはロマンがある

h:やまとさんは、好きな素材は絵の具ですよね?むかしからですか?

Y:そうそう。目覚めたときから絵の具だと思う。

h:好みの変遷は。

Y:ないですね。まあ別にパイとかは嫌いなわけじゃないんで。パイはパイで良いんですけどね。

h:絵の具は、テレビ番組シーンからの供給はないですよね。

Y:ほとんどないですね。でも(求めるのは)白塗りとかじゃないんですよね。刷毛とかローラーで塗られるような。年1回もないですよね。ミュージックビデオくらいかな。

h:たまにありますね。

Y:あのMi(エムアイ)っていたじゃないですか。あれのミュージックビデオは好きでしたね。

h:やまとさんのように特定の素材がお好きな方のほうが多くて、私のようなこんな(わりと素材全般が好きな)雑食は珍しいと思います。

Y:でもいちばん好きなのは白塗りでしょ?

h:まあ強いて言えばですね。変遷もありますし。

Y:京都の舞妓さんにも萌えますか?

h:毎日やっているプロの方だと、完成形だけ見てもそこまでは…。化粧シーンをじっくり見るとかなら別ですが。

Y:あー、金粉ショーに萌えないのと一緒だ。田植えに萌えないのと一緒だ。

h:絵の具は他の素材と違いますか?

Y:いやまあ、ペイントはロマンがありますよ。

h:面白い表現ですね。どのあたりに?

Y:一瞬にして…いや、違うなあ。なんだろうなあ。本来、絵の具は肌に塗るものじゃない…まあクリームもそうだけど(笑)、絵の具は塗っちゃダメなものじゃないですか。それを塗ってるという、なんだろう、被虐感じゃないけど、より汚されてる感・やられてる感じゃないですかね。パイ投げよりも「うぇー」感が強い。

h:「ペイントはロマンがある」というのは面白い表現ですね。インタビューはいくつか節に分けて載せようと思いますが、その小見出しに使おうと思います。

Y:いや、俺はその文章できても読み返さないけど(笑)。恥ずかしいから読みたくない。

「WAM生!」より。

「エロいWAM」を撮りたい

h:今後、何かやりたいことありますか?

Y:基本、面白そうなことは何でもやりたいけど…選択肢があるかとういと難しいなぁ…。(しばらく考えて)…エロいWAMを撮りたい。

h:その場合のエロいとはどういう意味ですか?

Y:難しいこと言いますね。なんだろうなぁ…。うーん、難しいですね。

h:単に直接的なエロとはまた違うんということですよね。

Y:なんかこう、セックスしてるとか、そういうのでエロいかというと、エロいんだろうけど(必ずしもそうではない)…みたいな。

h:そうではなくて、他に表現の方法があれば、ということですよね。何か具体像が浮かんでいるのか、それともまだ漠然としているのか…。

Y:あれに近いかもしれないですね、グラビアに近いかも。

h:ヌードグラビア。

Y:そうそうそう。青年誌のあいだに挟まってるような。あれがエロいかというと、それもまた人によって違うんでしょうけど。何を以てエロいというか、という話だからね。自分の中でイメージができてないから、まだ言語化できないです。

h:一つ難しいのは、素材が(見る人の好みと)違えば、全然届かないというのがあって。素材の好みを超えた作品は可能なのか、というのは気にはなるのですが。

Y:どうなんでしょうね。それこそ、俺はペイント以外はあんまり興味ないですからね。

h:でしょう?人によってはまったくアンテナにかすらない素材ってあるじゃないですか。

Y:俺は白塗りかすらないし。

h:となると、白塗り的にエロい作品ができたとして、それ以外の人には全然エロくないわけじゃないですか。そういう難しさはありますよね。素材の壁を越えられないのはもどかしいですね。

Y:まあねえ。刺さらないというか。

h:素材の好みが違うと、評価の土俵に載らなかったりしますからね。

Y:素材でいちばん人気があるのは生クリームでしたっけ。

h:たぶんそうでしょうね。金粉も多いんですかね。

「WAM生!」より、パイ投げ。

日本にWAMMERは何人くらいいるのか?

h:これもいろいろな人に聞いてみたい質問なんですが、いわゆるところの日本のWAMMER(ワマー)人口*って、どれくらいだと思います?(*注釈 … この項の数字は確かな根拠はなく推測を重ねたものに過ぎませんので、あくまで数字遊び程度にご覧ください。)

Y:日本の人口が1億…?

h:1億2千万としましょうか。1億2千万か3千万かそれくらいだったと思います。

Y:何を以てWAMMERと言うかにもよりますが、俺らくらいの(ヘビーな)WAMMERだと考えて、10万人。

h:(全人口に対する)パーセンテージで言えば0.1パーセント未満ですね。

Y:それくらいはいるんじゃないかという気はしますけどね。

h:私もそれに近い数字を予想していて。以前推計したんですが、少なく見積もって5万人、多く見積もって50万人。ちょっと幅があるんですが。

Y:50万人はちょっと多すぎるかなという気がする。

h:はい。5万はちょっと少なすぎで、50万はちょっと多すぎかなとは思います。

Y:10万から30万のあいだだと思う。

h:堅実な予想はそれくらいという気はします。推定の根拠は、ないわけではなく…。

Y:サイトのアクセスですか?

h:そうですね。Googleアナリティクスの集計から、2013年の数字ですが、番組情報ブログを何日かに一度訪問していただいてるリピーターさんはたぶん5000人くらい。それで、こういう趣味をがっつり持っている人のうちどれくらいが、このブログを見に来てくれているのか。で、どんなに購読率が高いメディアでも10パーセントは超えないだろうと。いちばん発行部数が多い新聞でも1000万部で、それでも人口の10分の1に達しないくらいなので。高く見積もって(WAMMERの)10人に1人がこのブログを見てくれているとすれば、WAMMERの人口は5万人くらい。100人に1人とすれば、50万人。ということで、5万から50万人のあいだかな、と。

Y:(購読率)1パーセントか…。どうなんでしょうね。

h:そこはわからないですけどね。ただ、(購読率)10パーセントは高く見積もり過ぎなので…。5パーセントとすると、10万人くらいですね。

Y:確証の持てる値の出し方がわからないので、どうやっても推定値ですけどね。日本のWAMMERの方が作ったTwitterアカウントの数は1000を超えますかね。

h:超えるんじゃないですかね。2000くらいはあるのでは?

Y:そんなにあるかな。2000あったとして、日本のWAMMERの100人に1人がTwitterアカウントを作ったんだとしたら、WAMMER人口は20万人ですか。

h:そう考えると、10万~30万というのはそんなにハズレていないかもしれませんね。

Y:そうですね。いろんな結論がそこに行き着きますね(笑)。20万人としたら、日本の総人口に対しての割合は…?

h:…0.16パーセントくらいですかね。

Y:ということは、1000人の人がいれば、2人はWAMMER?

h:そうなりますね。1人乃至2人。

Y:1万人いると、10人乃至20人。東京の人口が1000万だから、1万~2万人のWAMMERがいる?

h:そうなりますね。

Y:都内に1万人から2万人もいる?マジで?どこにそんなにいるの?

h:総数で見ると(1万とか2万という数字は)大きく見えますが、1学年300人の学校があったとして、2学年でようやく1人いるかいないかという割合ですからね。

Y:それはきつい。

h:(同じ学校に)自分以外に他にも誰かいる可能性はかなり低い。

Y:誰にも理解されない確率のほうが高い(笑)。

h:(20万人という)総数で考えると多い気はしますが、割合で考えると絶望的じゃないですかね、普通の生活をしていて同好の人と遭遇するというのは。

Y:でも、都内に1万人いたら、もうちょっと出遭ってもよさそうなものですねえ。満員電車の中には2人くらいいるかもしれない(笑)。

h:東京ドームの巨人戦で5万人満員として、会場かきわけて探せば80人くらいはいます(笑)。

Y:(笑)。じゃあ、試合終了後に、(東京ドームの)オーロラビジョンで、この中のWAMMERの人、このあとオフ会しますって呼びかければ、集まるかもしれない(笑)。

h:そうですね、恥ずかしさを別とすれば。

Y:80人。

h:そうですね、(WAMMER人口)20万人説を採ればね。(WAMMER人口)5万人説を採れば(東京ドーム5万人のうちWAMMERの数は)20人ですけど。

Y:それに加えて、男女比の話ですよ。

h:それは考えないほうがいいかもしれませんが…(笑)。(WAMMERの男性:女性の比率が)8対2*としてですよ。(*注釈 … この男女比に根拠はなく、もっと男性比率は高いかもしれません。男女比9:1や95:5とすれば、これ以降の推測はもっと悲惨なことになります)

Y:8対2としてですよ、80人中64人が男性で、16人が女性ですか。(東京ドーム)5万人もいるうち…(たった16人)。厳しい世界だ。じゃあ今度、「WAM夜話女子会」に女性が4人出ていただくんですが、日本のWAMMERの女性総人口のうち…。

h:(20万人中の2割で)4万人のうちの4人ですか。

Y:そう言ったところで、という話ですが(笑)。

h:人口比の話で、その逆の発想で、WAMMER総人口20万人で、足立さんのメッシーライブに50人来ていますよと。それを日本の人口比で置き換えると、国民的ミュージシャンがライブで3万人動員みたいな数字に相当するわけですよ。めっちゃ規模がでかいイベントをやっていることになるんで。

Y:少なくとも、3万人くらいのホールを埋めるくらいの集客力がある、と(笑)。

h:そうです、そうです。

Y:だから、乃木坂46くらいはある、と。乃木坂のコンサート3万人とかだから。

h:置き換えたらそうですね。足立さんそれくらい動員力持ってる説(笑)。そう考えると、あのイベントはすごい。男女比の話に戻れば、さっきの学校単位の話だと、2学年に1人いるかいないかでも大半男なので、女の子は10年待ってようやく1人いるかいないか。なかなかつらいでしょ?

Y:つらい。そう考えると真性WAMMER女子と(ネット以外で)出会うというのは奇跡に近い?

h:そうですね。

Y:今やSNSがあるからまだしもですよ、SNSもインターネットもない時代だと…。

h:出会えないでしょうねえ。

Route 207の未掲載画像より。(以前Twitterに掲載)

江戸時代に田んぼセックスしていた人はいると思う

Y:WAMってどれくらい古くからあるんでしょうね。文献に最初に出てくるのはいつ頃なのか。

h:イギリスとかアメリカだと古いとは思いますが。それでもはっきり文献に出てくるのは1970年代以降ですかね。

Y:たとえば聖書だとか日本で言えば戦国武将の手紙だとか、そういう古いものに何らかの描写が出てきたりはしないのか。

h:人間が泥からできたという話はあったと思いますが。

Y:それはWAMとはまた違うかな。はっきり性的なものと結びついた描写となると…。

h:個人的に興味のあるテーマではあるので、たとえばときどき日本の明治期のフェチ本みたいなのを見たりしますが、今のところ(WAMMERと言える描写は)見たことないです。江戸時代の書物で、長崎の出島のオランダ人が浮気した日本人の愛人を全身黒塗りしたというのは見たことありますが、(プレイではなく)懲罰なんですよね。

Y:懲罰だったらむかしからいろいろありますよね。蜜をぶっかけて虫をたからせるとか。

h:タールアンドフェザーとか。

Y:懲罰とプレイは紙一重なので、そういうのがあったのなら、WAMも昔からありそうですけどね。

h:推理小説の成立条件*みたいな有名な話がありますが、私はWAMも近代的な産物だと思っていて。普段は清潔に生活していて、シャワーだとか風呂だとか洗い落とせる場所が個々の家に整備されてからのものじゃないかなと。日頃埃まみれの生活だと、WAMは生まれないような。(*注釈 … 推理小説・探偵小説は、司法制度が確立した近代国家でしか娯楽として成立しないという説。Wikipedia参照)

Y:でも昔から田んぼの祭りとかおしろいまつりとかあるわけでしょう?

h:それは(当事者は)楽しむのであって、WAM的な捉え方でやっているのではないですよね。

Y:そうですね。でも江戸時代に田んぼセックスしていた人はいると思うんだよなあ。菜種油でやってるんだし。

h:どうでしょうねえ。(江戸時代の農村は)閉鎖社会なのでそういう人が許容されたかどうか…。

Y:いたと思う。夜にこっそりやって、最後は用水路で洗って(笑)。

h:WAMって、遺伝子的な、先天的なものだと思いますか、それとも後天的だと思いますか?

Y:後天的だと思ってます。

h:後天的だとすれば、昔だとWAMは生じにくいんじゃないですかね。

Y:さっき言ったお祭りとか、懲罰とか、昔からWAMを生む刺激はいろいろあったので、昔にもいたと思いますよ。

h:これまでいろんな人から聞いた話だと、物心ついたときには既にそうだった、という人が多かったので、私は先天的なものかなと思うんですが。

Y:ああ…。性の目覚めよりフェチの目覚めが早かったり(笑)。でも先天的でも、(WAMMERは)やっぱり昔からいることになりますよ。

h:なので、先天的要因と後天的要因が組み合わさってるのかなと。先天的にWAMを持った人はずっといたけど、それを目覚めさせる要因は近代以降に増えているのかなと。昔も(潜在的に)WAMMER(の素質を持った人)はいたんでしょうけど、文献に残るほどの形では表に出てこなかったのではないかと思います。

1枚目…「WAM生!」より。
2枚目…江戸時代の「西遊雑記」の記述を引用・紹介している、明治期の「私刑類纂」の記述。

「WAM生!」で印象に残っているモデルさん

h:「WAM生!」で印象に残ってるモデルさんはおられますか?

Y:まあ…うららしろんさん*だと思います。(*注釈 … 「WAM生!」第2回~第5回に出演されたモデルさん)

h:どのへんがですか?表現力みたいな?

Y:表現力というよりは…。4回くらい出ていただいたんですが、初めて出ていただいたときは、WAMの経験はそんなになかったんですよ。ポートレート撮影の中でちょっと絵の具を使うとかはあったけど、メッシーをやったというより、ちょっと体に絵の具を垂らしたことがあったというくらい。本格的なWAMは「WAM生!」が初めてで。で、食材とペイントをしてもらったんですけど、そのときのリアクションが良かったですね。

h:ナチュラルなリアクションが、こちらの期待によく合っていた。

Y:なんかね、すごく楽しんでやってくれたんですよ。絵の具で、ダバダバ浴びるのが気持ちいいとか、目覚めそうとか、良いフレーズが出た。

h:自然に。

Y:そうそう。たぶん見てくれた人も、いいと思ってくれたんじゃないかなと思ってるんだけど。最初のそれがよかったんで、それから何度か続けて出てもらったわけですよ。そういう意味だと、「WAM生!」を固定化してくれた人はしろんさんなので。

h:軌道に乗せてくれた、という。

Y:草創期を支えてくれた人なんですよ。

h:コンテンツとして確立させてくれた人、みたいな。

Y:そうそうそう。まあ、(乃木坂46初期でいうところの)生駒ちゃんだね。

h:何かというと乃木坂に持って行きたがりますね(笑)。最近ファンになったからといって。

Y:(笑)。乃木坂いいので(笑)。しろんさんが出てくれたから、「WAM生!」というコンテンツが体系化して、ずっと続けていけるコンテンツになった。もちろん、第1回のモデルさんの力もありますけどね。

h:ビデオのほうも出ていただいた方ですよね。あの方も経験豊富ですよね。

Y:でもあの方もメッシーはうちが初めてだったんじゃないかな。

1枚目…やまとさん撮影のうららしろんさん写真作品「Honey Gold」より。
2枚目…うららしろんさん出演の「WAM生!」より。

自分が見たいものより、みんなが見たいもの

h:こだわりのポイントとかありますか?このアクションはマストで必ず入れるとか。

Y:ないない。

h:それはコメントの幅を制限してしまうから?

Y:しちゃうからというよりは…。たとえば具体的には?

h:たとえば、必ずかけるアクションを入れるぞ、とか。

Y:あー、ないない。まったくそういうのはないです。コメントとモデルさんとのやりとりだけで進行していけば、別にかけはしないし。ただ、(実際には)やっぱり(モデルさんが)固まってしまうこともあるので。

h:ビデオのほうは、さすがにこだわりはあったでしょう?設計図がないとできないので。

Y:ビデオのほうは、ガチガチに固めてたからね。

h:ガチガチと言うくらいにですか。

Y:はい。

h:この次はこのアクションで、こういうリアクションをして、みたいな?

Y:1作目は「ジャパン・メッシー・カードゲーム」なわけじゃないですか。

h:カードゲームだったら(結果を)制御できないじゃないですか。

Y:いや、できますよ。

h:言っちゃっていいんですか?

Y:ダメかな(笑)。「次、いちばん右(のカード)ね」みたいな。

h:ビデオのほうではそこまで固めてたのに、放送のほうでは一切固めない。

Y:一切固めてない。

h:その振れ幅は面白いですね。というのは、撮影を始めるきっかけって、誰でも、「自分が見たいものを撮りたい」から出発するじゃないですか。なので、「WAM生!」のほうもそういうのがあるのかなと思ったら、今聞いたら全然そうじゃないということですね。

Y:ないない。だって素材もペイントと食材を交互に使ってるだけだからね。

h:しかも食材はそんなに趣味じゃないという(笑)。そう考えるとすごいですね。そうなるとどこからモチベーションが来るかとなると、本当にコメントとか、楽しかったという感想とか。

Y:まあ、なんやかんや使ってる素材は楽しいですよ。食材だからぴんとこないというわけではないし。

h:まったく自分の趣味でないことをやっているわけではない。

Y:そうです。

h:どこかしら自分がマストで見たいアクションを入れたくならないかなと思ったんですが、そうじゃないんですね。

Y:まあでも、どうしたって、(進行を助けるために)かけるアクションは出ちゃいますからね。でも、女の子が2人とかだと、俺が最後まで手助けしなくていいこともあったりします。「WAM生!」である程度流れを固めたのは、Ayameさんのとき*ですかね。(*注釈 … 第8回の「WAM生!」。このときは私も参加させていただきました。当時のリポート参照)

h:私は他の回の現場を見てないので比較はわからないですが。

Y:Ayameさんのときは、このゲームをやって、次はこのゲームでってやったじゃないですか。

h:あー、でもあれは段取りであって、リアクションの制御ではないですよね。

Y:まあね。あれがいちばん(あらかじめ進行を)固めた。

h:あれで固めたほうとすれば、全然固めてないですね。

Y:他のときは、打ち合わせで決めるのは導入と終わり方だけですから。塗り方も順番も指示しないし。投げられてもうつむかないでカメラを向いてとか、かけられるとき上を向いてとかは言いますけどね。カメラのほうを向くのは常に言ってます。

h:お手伝いとかは頼まないんですか?

Y:スペースがないのと、一人でそれなりに(現場を)回せてしまうので…。お手伝いの方を呼ぶとそれなりの謝礼も必要になるわけだし。

h:でも、「WAM生!」の現場ならボランティアでもという方はいるんじゃないですかね。

Y:うーん…。ただ現場を見たいというだけだと困るので。たとえば、極端な話、放送開始前に、後片付けのためにこれこれ買ってきてください(=結果として放送中のときは現場にいない)、と言われて、それをやってくれる人ならいいですよ。お手伝いであって、無料視聴券ではないので…。

h:ああ、なるほど…。

Y:逆に、今より広い会場で「WAM生!」公開収録みたいな形で、(スタッフではなく視聴者として)一人いくらとかの入場料で来ていただくんだったら、ありかもしれないですね。

h:今一通り聞いてて思ったのは、私とかはどちらかというと自分が見たいものを作るほうですが、やまとさんは、自分が見たいものを作るというよりも、見てくれる人が楽しんでくれるならそれでいい派というか。そういう意味では足立さんのスタンスに近いのかなと思いました。足立さんも、自分が見たいものをイベントで実現しているというよりは、参加者さんが楽しんでくれればそれがいちばん、みたいな感じだと思いますので。

Y:モチベーションとしてはそうなのかな。

いずれも「WAM生!」より。

今後見てみたいもの

h:だいぶ長くなってしまいましたが…。

Y:こんなの読んでくれる人がいるんですかね(笑)。

h:文字ネタがお好きな方もおられると思うので(笑)。

Y:まあね。

h:最後に、他の人が作るものも含め、これから見てみたいコンテンツって、どんなものですか?

Y:女性の真性さん自身による実践の実況放送かな。

h:あー。それは最後のオアシスというか、秘宝ですね。(まだ実現していないことで)残されてるのはそれくらいじゃないですか?

Y:そうなんですかね。

h:「WAM生!」に真性さんが出ていただくのはどうですか?

Y:全然、ウェルカムですよ。大歓迎です。結局、(「WAM生!」でそれをやっても)さっき言った真性さんによる実況とほとんど一緒なんですけどね(笑)。でも、「WAM生!」って、いい名前をつけたと思いません?

h:そうですね。タイトルが中身を端的に表しているし、言いやすくて語呂もいいし(笑)

Y:そこは良い名前をつけたなと思っている(笑)。

h:「WAM生!」は、今、途絶えてしまったら残念がる人がとても多いコンテンツだと思うので、是非長く続けていただければと思います。今回はインタビューありがとうございました。

Y:ありがとうございました。

おわりに

インタビューは以上です。やまとさんには収録に長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました。

やまとさんと私とでは、インターネットを見始めこのジャンルのことを知った時期はそう違わないにもかかわらず、当時、画面の向こうに見えていたネット世界の景色はだいぶ違っていたようです。その点はなかなか興味深いところでした。

私自身は、ネットを見始めた当初から、インターネットは画像あふれる世界という印象でした。そういうサイトばかりを見て回っていたため、ネット草創期のWAMサイトにテキストとイラストメインの時代があったという印象はあまり持っていません。しかし、一般ジャンルの個人サイトを入り口としてネットを見始め、WAMの世界を知ってからもショートショートやイラストを主に熱心にご覧になっていた方には、当時に関してまた違ったイメージがあるということが今回わかりました。

一方で、やまとさんと共通していた認識は、この20年、特にSNSの普及後、ネット上での効率的な情報発信の手段やコミュニケーションのあり方が大きく変わったという点です。7年前、サボテンマニアさんとの対談記事を載せた際、その「おわりに」の中で、サイトをやっていてよかった、この趣味に関連する活動で得られた貴重な経験の多くはサイト経由だった、ということを書きました。また今回のやまとさんインタビューでも、やまとさんがサイトを始めたことによるメリットに触れておられますが、今はもう、SNS以外にサイトやブログを持つ必要性は以前に比べればかなり薄れたというのが現状です。

情報発信のハードルが下がることは、何かを作ってそれを載せていただける方が増えるということでもあるので、そういった方が増えるのを楽しみにしています。特にTwitterは、撮影の全貌を載せることはできないけど一部をちょっとだけ載せたい、というような場合に最適でお手軽な手段でもあるので、それにより本来は一部を見ることすらできなかったであろう貴重な非公開撮影や実践記録を垣間見られる機会が増えたたという点で、その功績は計り知れないものがあると思います。

と同時に、従来型のブログやサイトにも、それならではの長所はまだ残っているのではないかと思います。インタビュー中でも触れられていた情報の蓄積場所やアーカイブとしての役割もそうですし、ある程度のボリュームを持つコンテンツも、その一つかもしれません。

今回のインタビュー記事は、久々にサイトというメディアならではのコンテンツができないかと考えた結果として試みたもので、たまにはこういうのも面白いね、と思っていただける方が少しでもおられたら、それに優るものはありません。ともあれ、ここまでご覧いただき、ありがとうございました。

関連ページ

ご意見・ご感想をお待ちしています

一言メッセージフォーム (管理人宛に直接届きます。お気軽にコメントください!)

※管理人からの返信が必要なお問い合わせは、メールフォーム のほうからお願いします。
ゲストブック への書き込みも大歓迎です!