4月20日放送の刑事ドラマ「警視庁捜査一課9係 season11」第3話にて、登場人物が顔に絵の具をかけられる展開がありました。
ストーリーを簡単にまとめますと、宝石ブランドの広報部長・由香利(中原果南)が絞殺体で発見されます。その顔はなぜか赤と青の絵の具で染まっていました。捜査一課9係が捜査していくと、テレビの通販専門チャンネルの放送枠をめぐって宝石ブランドと健康食品の会社の競争があり、さらに宝石ブランドの社内では広報部長が部下や職人たちを不当に扱っていました。明らかになった真相は以下のようなものでした。
由香利は産地偽装の商品を職人の深見(出合正幸)に作らせようとするが拒否され、商品がなくても番組に出て注文をとってしまえば作らざるをえなくなるだろうと、収録スタジオに向かいます。由香利のアシスタント・朋子(大村彩子)は深見に思いを寄せていて、由香利の番組出演を阻止するため、由香利を呼び止め小さな缶に入った赤と青の絵の具を順に顔にめがけてかけます。
朋子はそれ以前には宝石のデザイナーを担当していたのですが、由香利から「使い物にならない」と罵られ、卓上の絵の具を顔にかけられた上にデザイナーからの降格を言い渡された過去があり、その意趣返しの意味もあったのでした。
ただし朋子は絵の具をかけたのみですぐにその場を逃げ去っており、本当の犯人は通販チャンネルの放送枠を巡って競争相手だった健康食品会社の社長・内山(斉木しげる)でした。内山は、自社の健康食品に実はまったく効能がないことを由香利に突き止められ、そのことを生放送でばらすと脅されていました。それを阻止するため、内山は自分の番組出演直後にスタジオから外出し、朋子によって絵の具をかけられた直後の由香利を手にかけます。血は見ないはずでしたが、番組出演時のトレードマークの白ジャケットが絵の具でよごれてしまって、そのあとジャケット無しのまま、由香利の番組の穴埋めで生放送に出ることになります。ジャケットの有無をきっかけに捜査陣から有力な証拠を突きつけられ、自供へと至ります。
映像としては、大村彩子が中原果南に絵の具をかけるシーンは吹き替えなしで収録されています。マルチカメラで複数方向からワンテイクで撮ったようです。時間はかなり短めです。朋子の回想シーンでは青絵の具をかけるところは横からのみでしたが、内山の回想でもう一度絵の具シーンが出てきたときは、顔の正面からの映像も映っていました。赤はやや顔の上方に逸れていましたが、青は直撃していました。素材の種類は正確にはわかりませんが、相応の絵の具感はありました。番組冒頭近くの遺体発見シーンの赤と青は、メイクだと思います。
中原果南が大村彩子にかけるシーンのほうは、あまり量が多くはなく、直撃していませんでした。色は赤と青だったようですが、顔の上で混ざって紫っぽい色になっています。
ストーリーの整合性はともかく、このようなドラマの映像としては、珍しいほうでしょうか。