Top > Videos > パイ投げ番外編 ナチュラルボーン (2015年6月6日掲載)

パイ投げ番外編 ナチュラルボーン

ふだん当サイトの撮影に来られるモデルさんは、内容へのご興味が皆無というわけではないものの、あくまでモデルのお仕事として来られる方が大半です。そうした中で、今回は貴重にも、小さい頃からネイティブに(ご本人曰く「生まれつき」)パイ投げがお好きという関東在住23歳のSさんで撮影させていただくことになりました。

経緯を簡単に書きますと、もともとSさんは数年前から何度かMonotonous Package+のサボテンマニアさんの撮影に行かれたことがあり、ふだんから私のサイトもご覧いただき、こちらの撮影にも興味をお持ちだったそうです。今回ご用事で関西に来られる機会があり、サボテンマニアさんからのご紹介もあって、ご相談の結果、このように撮影ということになりました。

ご本人の特定できない写真・発言であれば掲載しても構わないとのことでしたので、以下のように、写真とインタビューを組み合わせたような形で掲載させていただきます。

内容としては、Sさんのご希望によりパイ投げとおしろいペンキの顔面刷毛塗り、こちらの希望により実験として新しい種類の増粘剤を混ぜた絵の具という、都合3種類の素材を使用しています。時間的には大半がパイ投げです。

写真

撮影時のデジカメ写真です。

インタビュー

撮影をしながらのインタビューです。5月半ばに大阪市内某所にて収録しました。
「C:」(黒字)がカメラマン(私)の質問、「M:」(青字)がモデルさん(Sさん)です。

全部を文字に起こしているわけではなく、差し支えない範囲を一部のみテキスト化し、適宜大幅に端折っています。上記ギャラリーの写真と重複しますが、所々に写真を挿入しました。ただし、インタビューと各項ごとの写真は必ずしも時間的に一致していません。

子どもの頃の思い出

C:今日はよろしくお願いします。

M:お願いします。

C:パイ投げなんですけど、ご自分で準備してみてどうでしたか?
※注釈、準備の都合でモデルさんにホイップしていただきました。

M:あー、サボマニさんはいつもこんな感じでやってるんだなって(笑)

C:はいはい(笑)。大変な部分はありましたか?

M:いえ、そこまで…。ケーキとか料理とか作るので。

C:ふだん(このサイトの撮影に)来ているモデルさんは別に内容が好きというわけではなくて、モデルのお仕事として来ている方が多いんですが、Sさんはもともとパイ投げが好きという感じなんですよね。きっかけみたいなものはありますか?

M:きっかけは…。これって、たぶん、生まれ持ったもの、みたいな(笑)

C:じゃあ、自分パイ投げ好きだなって気づいたのは、いつくらいですか?

M:小学生のときから、パイ投げとか飴食いとか、そういうのいいなぁと思ってました。

C:いいなぁというのは、やりたいなという意味で…。

M:やりたいなぁっていう(笑)

C:おもしろいですね。テレビとかでそういうのを見て、どういうふうに感じましたか?

M:楽しそう、やってみたいな、とか。

C:いちばん古い記憶は、テレビだったら何になりますか?

M:なんだろう…。「仮装大賞」とかですかね。顔塗ってるのとか…。

C:あー。じゃあ、パイ投げ以外にも、そういう顔塗られてるのもいいかな、という。

M:そうですね。

C:ああいうのを見て、かわいそうと思うんですか、うらやましいと思うんですか?

M:うらやましいなぁ、みたいな(笑)

C:じゃあ、たとえば学校で劇をやるとして、一人だけ顔を塗る役だったら、むしろやりたいみたいな。

M:そういうシチュエーションだったら、自分からは言い出したくはなくて…。そうならざるをえない状況になれればいいな、みたいな。やりたいとは思うんですけど、それを周りに言うのはちょっと抵抗がある、みたいな。

C:インターネットとか見始めて、パイ投げのジャンルがあると知ったのは、いつくらいですか?

M:小学校高学年くらいですかね。家にパソコンがあったので。

C:見つけちゃったんですね。どんなサイトとかって、覚えていますか。

M:「女だらけのパイ投げ大会」とか…。

C:下関マグロさんのですね(笑)。サボテンさんのページとかもご覧になったんですよね。パイ投げに応募してみようと思ったのは…?

M:ずっとやってみたいなとは思ってたんですけど、だんだん、フェチのものだと分かってくるじゃないですか。大学生になってから行ってみようかな、みたいな。それで応募してみました。

C:最初はすごく勇気が要ったんじゃないですか?

M:要りました。

C:飛び込んでみてどうでしたか?

M:楽しいなぁ、とは思って。でも背徳感もありつつ…。

C:葛藤もありつつ…。

M:はい。

C:それで、今回は、投げながらやっていきます。タイミングとかはどうしましょう?

M:お任せします。

C:シチュエーションとしては罰ゲーム的なのがお好きなんですか?

M:そんな考えずに、勝手にやってくださいという感じで…。

C:相手に任せてしまう感じなんですね。

M:はい。

C:じゃあ行きますよ。(パフッと投げる) どうでした?

M:気持ち良いです(笑)

※以下、インタビューの中にパイ投げを差し挟みつつ(あるいはパイ投げにインタビューを差し挟みつつ?)、進行していきました。

気づいたときは、ショックのほうが大きかった

C:パイ投げを探し始めて、こういう世界があるんだと気づいて、そのときどう思いましたか?

M:(他にもこういうのが)好きな人っているんだなと分かりつつ、(自分は)ちょっとヤバいものが好きなんじゃないか、という…。

C:ふつうの人と違ってるみたいな。喜びが大きかったですか、それともショックでしたか?

M:うーん。でも、ショックのほうが、大きいですかね…。

C:あー…。何かいけないことが好きなんだな、という。それにうまく折り合いがついたのはいつくらいでしたか?

M:でも、周りとかに全然言っていないので、折り合いをつけるも何も、という感じで(笑)

C:全然、言う勇気というのはないわけですよね。

M:はい。

C:そういうのを気にされるのはよくわかります。女性の方だと特に…。他の同じような嗜好というか、こういうのが好きな女性の方とお話ししてみたいなとか思ったことはないですか?

M:ちょっと思いました。アイさんとか…(笑)

C:なるほど…。数は多くはないですけど、けっして一人ではないというか、他にもいらっしゃるので。

全身タイツの思い出

C:サボテンマニアさんの撮影で、最初は何をやったんですか?

M:最初はパイ投げで…。

C:全身タイツとかは。

M:それもありました。

C:最初から(笑)。あれは、恥ずかしいんですか?

M:超恥ずかしい…。

C:どのへんがですか?

M:顔しか出てないし(笑)

C:でも肌の露出はないじゃないですか。

M:あー、でも体のラインとか超出るんで。イヤですけど、でも、イヤなのがいい、みたいな(笑)

C:なるほど。パイ投げも、イヤだけどイヤなのがいいみたいな感じですか…?

M:そんな感じですね。イヤっちゃあイヤだし、でも嬉しい、みたいな。

C:そうすると、罰ゲーム感をどこかに感じつつ、それを楽しむ、みたいな。

M:はい。

理想の理想は…

C:さっき元彼さんのお話が少し出ましたけど、当然、彼氏さんにはこんな趣味は言えず…。

M:はい、言えず…(笑)

C:ちょっと言ってみたいなというのはなかったんですか?

M:うーん…、引かれてもイヤだしなぁと思って…。

C:理想としては言えたらベスト…。

M:ベストですけど(笑)

C:結構難しいかな、という感じで。

M:はい。

C:理想の理想を言えば、やっぱり、彼氏さんといっしょにパイ投げで遊べたらベストかな、という…?

M:はい、ベストですね。

C:そのときは、投げられたいんですか、投げたいんですか?

M:投げられたいです。

C:ひたすら投げられたい。

M:はい。

開き直れる境地ではない

C:最初こういうジャンルがあると知ったときに少しショックだったのは、自分は少しおかしいんじゃないかというところが…。

M:はい。

C:いわば、自分ヘンタイなんじゃないかということですよね。

M:そうですね。

C:じゃあ、まだ、開き直って「自分ヘンタイです」と言える境地ではないという感じですよね。

M:はい(笑)

C:女性の方だとそういうスタンスの人は多いかもしれないですね。たぶんいちばん多いのは、誰にも言えないという方かなと。Sさんは撮影でパイ投げの経験あるわけじゃないですか。そこに行くのは勇気が要るので、踏み出せない人も多いと思うので…。同じような立場の女の子にメッセージあったりしますか?

M:そうですね…。とりあえず撮影に行ってみてはいかがでしょうか、みたいな(笑)

C:いやー、撮影は、一歩踏み出す心理的なハードルがかなり高いと思いますが…(笑)

M:でも1回撮影行ってみれば、もう、(ハードルを越えているので)2回目も3回目も同じ、みたいな…。

C:東のほうだったらサボテンマニアさんのところに行ってみるとか。

M:そうですね(笑)

初めての撮影の思い出

C:いちばん初めては、サボテンさんの撮影ですよね。その日はどうでした?

M:その日はずっとクリームの匂いがとれなくて(笑)。大丈夫かな、みたいな。周りに匂いがするんじゃないかな、みたいな(笑)
※注釈、肌の感覚からご本人的には気になっても、実際には周囲に匂うほどではありません。

C:次の日は仕事だったんですか。

M:いや、まだ学生で、次の日は休みだったような…。

C:何年前ですか。

M:最初はたぶん、2011年だったかな…。

C:メール送るまで迷いとかは…。

M:迷いましたね。

C:どのへんが迷ったポイントですか?

M:まず、この人大丈夫だよね、っていうところと…(笑)。そもそもこういう撮影は大丈夫なのかという…。

C:だけど、そういうのに行かないと(パイ投げの)機会はないし…っていう感じで…。

M:はい。

イベントには行きにくい

C:最近、こういうふうな実践のイベントもいくつかありますが、ああいうのはどうですか?

M:ああいうのは、こわいので、大丈夫です(遠慮しときます)みたいな…(笑)

C:こわいというのは、どういう部分ですか?

M:知らない人がいっぱいいるし…。有名な人(サイトをやっている人?)とか多いじゃないですか。

C:同じ趣味でも、いっぱい人が集まっていると、行くのは心理的にこわいかな、という。

M:はい。

C:どちらかというと1対1とかでじっくり対話するほうが、まだ…。

M:はい、少ない人数のほうが…。

C:3、4人くらいだったら…。

M:3、4人だったら、まだ、行けるかな…?

C:10人とかになってくると…?

M:ちょっと…(笑)。気が引けるかな、という。

C:でもみんな優しい人ばかりですけどね。女性の方もいたりとかしますし。

全体の感想

C:お疲れ様でした。どうでしたか?

M:楽しかったのと、新鮮な部分もあり…。

C:どの辺が新鮮でしたか?

M:やったことのない、刷毛塗りとか、とろみ剤のやつとかは、かなり新鮮でした。

C:感触はそれぞれどうでしたか?

M:刷毛はけっこう想像通りな感じだったんですけど、とろみのやつは、かなり気持ちよかったです。すりすりしたくなるというか。

C:伸ばしやすい。

M:はい。

C:他に何かありましたら。

M:クリームはもうちょっとゆるく作ればよかったな、という…(笑)
※注釈、途中でクリームが固めであることを気にされていました。

C:今回ご自分でホイップしたから、次から家とかで一人でできたり…。

M:あー、でも…(笑)

C:やっぱり一人でするのはちょっと違うという感じですか。

M:そうですね、違いますね。

C:やっぱり、投げてもらってこそのパイ投げ、みたいな。

M:はい。

C:なかなか大変ですね。

M:そうですね(笑)

C:ゆくゆくは、パートナーさんとか見つかるといいですね。

M:はい(笑)

C:お疲れ様でした。

M:ありがとうございました。

おわりに

Sさんには、いろいろな質問に率直にお答えいただいたと思います。私自身も興味深くお話を伺いました。言葉数の多いタイプの方ではないので、どちらかというと私の質問のほうが長いかもしれませんが、意思表示のしっかりした、自分の考えをお持ちの方だったと思います。改めて、ありがとうございました。

内容的にも、クリームの感触を何度も何度も味わったり、途中でパイの固さのことを気にされていたご様子は、さすがクリーム好きで経験のある方ならではという感じがしました。

パイ投げなどをネイティブにお好きな方が、それを実際に体験してみる機会として撮影という場をお選びになることがあるというのは、以前のサボテンマニアさんとの対談などを通じてお聞きしていました。もちろん、それもかなり勇気の要る行為だと思いますので、おそらくはそうした選択がネイティブな方の多数派とはまったく言えないと思います。

また、今でこそイベントやオフ会、あるいはTwitterなどSNS上でこういった世界がお好きな女性の方をお見かけすることも珍しくなくなりました。しかし一方で、イベントに参加してその日初めて会う多くの方と一緒に楽しんだり、SNSを通じてパートナーさんを見つけたり同好の方々と交流したりというのも、特に女性の方にとっては、今なお、わりと勇気が必要な行為だと思います。

おそらく、こういったご嗜好がお好きな女性の方の中には、実生活の周囲の人には言えないし、かといってイベントに行ったりSNSでそれ用のアカウントを作ったりするほど積極的にもなれないし、当然撮影などにも到底行けないという方も多くいらっしゃるのではないかと推測しています。これは他の様々なことに言えるのかもしれませんが、ネットやSNS上に見えている光景は、それが平均や標準とは限らないという点は、常に留意しておきたいと思いました。

今回このようにして掲載させていただいたのは、あくまで、ネイティブにお好きな方のスタンスの個性的な一例としてご紹介したものです。念のため申し添えておきますと、同様の方はどうぞどなたでも撮影に来てくださいという積極的な募集の意図で掲載するものではありませんし、実際、私のほうでは対応させていただくことができない場合も多々あると思います。

自分の嗜好性をどのように捉えてどのように折り合いをつけるのかは、人により様々だと思います。何かうまい折り合いのつけ方があるのか、私のサイトでは何一つ具体的な提案や新しい解決策をご提示することはできませんが、もし僅かでも同好の方のお役に立っている部分があるならば、こういったサイトをやっている意義のようなものが多少なりともあったのかな、とも思いました。

関連ページ・タグ